【 平成24年度第27回 豊の国木造建築賞 優秀賞 (大分県知事賞) 】
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木造地上2階
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2011年8月 竣工
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紡ぐ家 〜3世代の住まい〜
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代々住み継いでこられた築80年余りの古民家の建て替えです。
長年の増築も含め大きすぎた住居を共に息遣いが感じられご両親が穏やかに過ごされるようなバリアフリーの家をと望まれました。 ■コンパクトにしながらもプライバシーの保ち方を考えた住まい それぞれの世代の収納スペースの厚みや、その付近の動線が緩衝領域となっています。その領域は相手に自然と配慮できたり、自分の気持ちを切り替えたりする「ひと呼吸ゾーン」となっています。 ■2Fの在り方、並びにプランから導き出される構造の強さを考えた住まい ■家の歴史(時)のつながり、家族(世代)のつながり、 そして地域(自然・社会)とのつながり 縁側(ぬれ縁)は地域に根付いたご家族にとっての楽しみ、穏やかな交流の場でもあり、不自由な状態の時には、スロープから縁側とつながり、直接車イスでの個室へのアクセスを可能とします。 県産材の杉や桧を中心とした無垢材、木製建具や造作家具、内壁や天井などに木の素材や特性を活かした意匠、外壁は九州の火山灰シラスの左官材、どの材も調湿や経年変化を楽しめ、 環境への負荷やエネルギー消費への配慮ができるものとなっています。 また新しい材に加え、旧家で使われていた瓦・梁・柱・框・棚・建具・家具・手すり・基礎石・植栽などを解体の際に保管し、職人たちの丁寧な仕事によって適所へ組み込んでいきました。旧家や地域の歴史、家族の想い出と共にある他のものでは代用することのできない古材は、新しい材とやさしく馴染みながらそっと溶け込むように存在し、包まれる人たちの気持ちを和らげています。 建て主ご家族と共に見つめてとらえた家の本質は幾層にも重なって、より一層深みある「日常」を紡いでいってくれるものと願っています。 |
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